俺は、空なんか見上げるのは嫌いだ。

どうして太陽は

月は

いくら逃げても俺を追いかけてくるんだ?

 

こんな泣いている姿なんて誰にも

空でさえも見られたくないというのに

 

 

 

 

01.決意

 

あの日も綺麗な雲ひとつない空だった。
シンシアもいつものように、花の咲く丘に寝っ転がってた。
あんな真っ白の服を着ているのに、汚れてもいいのかといつも、シンシアに尋ねていたと思う。

俺は人を信じるっていうことが苦手だった。いつも父さんや母さんの言うことにも、たまに疑いをかけていたくらいだ。

でも、シンシアは特別だった。
俺の一番の親友だった。大好きな、友達だった。

別に恋愛感情とか、そんなんじゃなくて・・・。本当に大切な人だった。

いずれは結婚とかするだろうなんて、当たり前のように思っていたんだ。

 

 

 

シンシアはあの日、モシャスを唱えて俺の姿になった。そして俺に背を向けて、こう言った。

「私は何も怖くないよ。ねえ、ソロ。私あなたと友達になれて嬉しかった。今まで楽しかったよ。

ありがとう」

君はそう言った。いつもニコニコしてるシンシアだったけど、今までに見たことのないくらいの満面の笑みで。
そうして君は、勇者と言われる俺の姿をして、魔物に殺された。

 

何で俺をかばったんだ、なんて今でも思う。でも俺を残して行ったシンシアは答えない。

家族同然だった村のみんな。最期に「俺たちの本当の子供じゃない」と言った父さんと母さん。
そしてシンシア・・・。

みんなみんな、魔物に殺された。村は焼かれて、忽然としていた。
その全ては、「デスピサロ」という名のやつの指令で。

 

 

村の地下で村が滅びるのを、ただジッと待つことしか出来なかった俺。
外に出た時にはもう焼け野原の、俺の村。

そしていつもシンシアが寝転んでいた花の咲く丘には、「はねぼうし」が落ちていた。
きっと最期の・・・シンシアからの贈り物なんだと、俺は思った。

 

いまでも俺の道具袋の中で、大事に入れられている。

 

 

俺は一生、デスピサロを許さないだろう。この手で、村のみんなの・・・、シンシアの仇を討ってやるんだ。

俺はいつの間にか額に汗を浮かべながら、拳を握ってそう思っていた。

 

←back next→ top


あとがき
は、はじまったー!とうとうやってしまったワタクシ!(誰
もうガンガン書いて行きます。(たぶん(←

勇アリさいこうっす!はい!最初はクリアリにしようかと思いましたが、やっぱり自分の好きな方が書きやすいです^^

2009.01.29 UP