決戦前夜とその朝


 

ベルガラックでゼシカたちと合流したたちは、仲間で過ごす最後の夜になるかもしれないので、ベルガラックへときていた。ククールの提案で約束していたからだ。

 

「ちょっとククール。あんた今日は絶対イカサマとかしないでよね」

「わーってるっつの。・・・なぁゼシカ」

「?」

呆れ顔でククールを見つめるゼシカの肩に、ククールは優しく腕を回した。

「ちょっ・・・な・・・に「一緒にポーカーやろうぜ」

ゼシカは顔を赤らめながらククールの腕の中で少々暴れながらもククールに引きずられていく。抵抗はしているものの、まんざらでもなさそうだった。

 

「じゃぁアッシはビンゴでもしてきやすね!兄貴はどうするでがすか?」

「んー・・・」

辺りを見渡していると、が床に這いつくばっているのが見えた。

・・・何してるの・・・?

「え・・・?メダルが落ちてたから・・・

はぁ、とはため息をつくと、先ほどカウンターから引き出したメダルをに何枚か渡した。

「これで、何かやっといで」

「ありがとう!! んっと・・・じゃぁスロットでもしようかなぁ?」

「・・・・・・僕もそうしようかな」

 

一行は、とても楽しい夜を過ごした。

 

 

 

 

次の日。
昨日はカジノで遊び倒していたものの、やはり決戦前日なので少し早めに切り上げて皆床についていた。

今は、朝の8時。支度を終えて、ラプソーンのもとへと行く準備は万端だった。
武器も防具も道具も、全てちゃんと揃えている。

 

早速レティシアへとルーラで飛び、レティスの待つ止まり木まで走るー走るー俺ーたーちー。

 

「・・・来ましたね」

「ええ来ましたとも」

「オーブが全て見つかりましたか?」

のボケも華麗にスルーし、レティスは尋ねた。

 

「もっちろんよ!」

そう言ってヤンガスたちが担当した地区のオーブを道具袋からゼシカが取り出したので、もそれを見て慌てて取り出す。

「パープルオーブ、ブルーオーブ、シルバーオーブ、イエローオーブ、グリーンオーブ、レッドオーブ、ゴールドオーブ・・・。確かに、ちゃんと7つ。揃いましたね」

レティスは目を瞑ると、懐から杖を1本取り出した。

「・・・!! それは!!」

ゼシカはそれを見て、驚いたような顔をする。トロデも強張った表情をすると、叫んだ。

「みなのもの!これに触れてはならんぞ!! これはドルマゲス・・・いや、ラプソーンに呪われる杖であって・・・」

「いいえ、もう大丈夫です。暗黒神の魂はすでによみがえっているため、この杖は今はもう何の呪いもありません」

そう言うとレティスは、杖をに渡した。

 

「・・・その杖は『神鳥の杖』と言って、7人の賢者と私が作ったラプソーンの魂を封じ込めるための杖でした。まさか未来でこの杖が封印から解き放たれる日が来るとは・・・」

「・・・それは・・・本当にすまぬな・・・」

何を隠そう、トロデーン城の封印の間にあったものがこの『神鳥の杖』に他ならなかったからだ。トロデは申し訳なさそうに頭を下げた。

「謝罪をしてほしくて打ち明けたのではありません。トロデ王、顔をおあげなさい」

トロデは顔を上げたが、その瞳はやはりどこか悲しそうで、辛そうだった。

 

「・・・、そしてその仲間たち。私はあなたたちの力に賭けています。どうか・・・どうか、世界が平和になるように・・・お願いします」

そう言った瞬間、たちの周りが光り始めた。どうやら体力が回復したようだった。

 

「ひとつ、大切なことを言っておきます。ラプソーンは今結界を張っていて、何もせずに攻撃しても意味がありません」

「そんな・・・」

「ただ、その結果を解く方法はあります。賢者の力を借りるのです」

賢者の力を・・・。レティスの言葉をかみ締めるように、は呟いた。

「7つのオーブと神鳥の杖を持ったあなたたちは今、賢者の力を借りることができるでしょう。ラプソーンを前にしたら、4人で一斉に杖に向かって祈るのです。4人が一斉に祈ることで1人ずつ、賢者の魂が蘇るでしょう。つまりは全部で7回。7回全員が祈れば、結界を解くことができます」

レティスはあなたたちの道具袋にすでに杖を入れてあります、というので道具袋を覗いてみると、確かに先ほどまでなかった杖が入っていた。本物の神鳥の杖よりも、少しだけ小さいサイズの杖だった。

 

 

「・・・それでは、準備はよろしいでしょうか?」

「「「「「 はい!!! 」」」」」

「では行きましょう。・・・・・・・ラプソーンのところへ」

 

たちはレティスの背中へ乗ると、空高く飛び立った。

 

 

「ちょ・・・っちょっとレティスさっ・・・まだあがるんですか・・・!!」

「ラプソーンのところはまだもう少し上空ですよ」

が高所恐怖症で怖がっていた。

 

 

 

 

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あとがき
第3章 たぶんあと1話くらい続きます(笑)

2011.03.30 UP