世界一王国
「何じゃいこの遠さ!!キラーパンサーでも思うくらいだから、徒歩じゃ死ぬよこれ死ぬよ。はっはいははい 死にますよっ!」
入口ではカラッチという小太りおじさんにしつこく質問され、
何でもこのベルガラック地方に散らばる四体のキラーパンサー像の顔が向く中心に、
そこにいた老いぼれのキラーパンサー(バウムレンという名らしいよ!←)は、
お礼としてキラーパンサー友の会という訳のわからない会に入会させられたのだが、
「しっかしの言う通りまじで遠いな。もうちょい町造るとこ考えてほしいもんだな・・・」 「姫様にも負担かかるわね。大丈夫かしら?」
チラ、とゼシカは横目でミーティアを見る。
トロデはただ馬車の荷台で「ミーティア頑張るんじゃ!ミーーティーーアッ!」とかなんとか言ってるだけ。それでも父親か!
「みんな頑張ろう!・・・ってまあ僕らは乗ってるだけだけど・・・でも後ちょっとなんだしもう一踏ん張り!」
「そうだねぇ・・・それより本当に姫様大丈夫かな」
「馬も大変でがすよ」
「やっと着いたー!」
「世界一の王国ってだけあるわね。城壁からして大きいわ」
「・・・そういやゼシカの許婚はこの国の大臣の息子かなんかだよね」
「言わないでくれる!?あんなヤツ、顔も思い出したくないわ!」
「そういえば姫の許婚もこの国の王子ですよね、王様」
「そうじゃ。先祖の決めた結婚なんじゃが、実はまだわしはこの国の王とも会ったことがないんじゃ」
「えぇっ!?大丈夫なの、それ」
「まあそんな焦らんでもええじゃろが、わしらは今この姿じゃからの。当分挨拶は無理じゃな・・・。 「あのいっつも威張ってるおっさんの頭が低いでがすね。その下がった頭を踏みつけてみたいでがす」
「ヤンガス、それを言うなら腰が低いだからね!?」
城下町の中に入ると、たくさんの人で賑わっている。やはり世界一の王国だ。
「あら、そうなの?この間はタルの中に隠れてたって聞いたけど、そんなに儀式が嫌なのねえ」
「男なんだからシャキッとしてほしいわねえ。いつまでも子供じゃないんだから!クラビウス王もさぞお困りでしょうね」
「でもそれが馬姫様の許婚なんでげすよね・・・可哀想でがす」
「でもトロデーンで前から決まってた結婚の決まり事だから変えられないんだよね・・・」
この国の将来は大丈夫かといった顔つきで、は国全体を見回して、大きく聳え立つ城を見つめていた。 「とりあえず王子のことも色々気になるけど・・・王様に会って太陽の鏡もらえるように言ってみよ!」
がそう言うと、皆一斉に城の中に足を進めていった。
城の中に入ると、ドルマゲスが入って行った遺跡のところにいたギャリングの使いが入り口の兵と揉めていた。
「だから、私たちはどうしてもあの鏡が必要なんです!王様に会わせてください!」
「だめだ、帰れ!あのギャリングの使いなんかを王様に会わせられるか!」
ギャリングさんの評判は悪いのか、サザンビークの兵は使いを通す気配は全く無い。
「比べちゃ悪いけどアスカンタ城って本当に小さいのね・・・。大きすぎてちょっと目がチカチカしてきちゃったわ」
「シャンデリアとか絵とかひとつひとつの雑貨がキラキラと輝いてるでがす!!
「のー!こんなとこに住む王様とかすごいんだろうなあ!」
王座の間までの道には、恐らくクラビウス王と思われる人の肖像画があった。その反対側には、王子の肖像画。
「王様も王子もイケメンでがすなあ・・・金持ってて顔もいいなんて、アッシの憧れでがすよ」
「なんかここの赤い元聖堂騎士団の人よりか、自分が格好いいことを鼻にかけてなさそうよね!」
「おい、ゼシカそれ誰のことだ!?」
「もちろんククさんに決まってるじゃないかああっはっはーはっ」
王座の間に入る大きな扉の前に辿りつくと、見張りの兵に「失礼のないように!」と厳重に注意される。
クラビウス王の前まで歩を進めると、がお辞儀した。それにならってみんな慌ててお辞儀する。 クラビウス王は穏やかな顔というか、険しい感じの表情ではない。先ほど見た肖像画に本当にそっくりだ。
「ようこそ我が国サザンビークへ。何かご用・・・ん!?」
クラビウス王は椅子から立ち上がっての顔をまじまじと見た。その行動にたちや大臣は目を丸くする。 「お、王様・・・?」
「・・・!い、いや、すまない。私の知り合いに似ていたものでな・・・人違いだ」
そ、そうですかとは言うとクラビウス王は咳払いをして、話を戻した。 「で、何か用があって訪ねてきたんではないのか?」
「え?あ、はい!この国に太陽の鏡というものがあるとお聞きしたんです。僕たちそれが必要なんです。
が少し下を向いて、戸惑いながらも交渉に出た。すると、クラビウス王の口から以外な言葉が返ってきた。
「太陽の鏡か。別にそんなに国に必要なものではないが・・・一応国宝として扱われているからな。
「・・・条件?何ですか?こなせる限りならやらせていただきます!」
やたちは顔を輝かせて、クラビウス王の言う条件に耳を澄ませた。 「わしの息子・・・チャゴス王子はこの国の王になるための儀式を受けようとせんのだよ。
だから、条件というのはその儀式のお供としてついていってやってほしいのだ」
そう言ったクラビウス王の言葉に、たちは顔を見合わせた。 「「「「「ぜひぜひぜひぜひぜひやらせてください!(でがす)」」」」」
「それじゃあ決まりじゃな。では誰かチャゴスを呼んでくれるか」
「はい、かしまこっ・・・・かしこまりました」
「え、今何か噛んだよね?」
「王様、つれたまっ・・・・連れてまいりました」
「だからさっきから噛んでるよあの人?」
「お父様なんですか?王の儀式なら受けませんけど」
・・・え?これが王子?あの肖像画の王子は?というかこのイケメン王様からなぜこいつが産まれたんですか?
5人の脳内は、そんな考えがかけめぐった。
細くてつりあがった目。全身肥満体型。言っちゃ悪いがこの世にこんな人いたんだ、といいたくなるくらい醜い姿だった。
とっさに、肖像画をかく絵師にどうせ「かっこよく描け」とかいったんだろうな、この王子は。とは思った。 「お前はまたそうやって弱気に・・・。今回はこの旅の人たちにお供してもらうことになった。それならいいだろう?」
「ええ・・・でも・・・」
「お前はミーティア姫様と結婚したくないのか?」
「い、いえ、そんなことはありませんよ!でも・・・トカゲは・・・」
ブタのチャゴス王子は、太い右手と左手の指先をもじもじと顔の前でひたすら動かしている。
「ミーティア姫様はな、そこにいるツインテールのゼシカさんのように
ボン!
キュッ!
ボン!
な体型をしているんだぞ!
「お、おおお・・・」
クラビウス王から思いもよらない言葉が飛び出して、やククールやヤンガスは、目が飛び出た。もちろんゼシカも。 「違いますよ王様!ゼシカの場合、
ブゥゥォオオォオォォォォオオオン!
キュゥゥゥゥウウゥッ!
ブゥゥゥオオオォォオォォン!
ですよ!?」
はクラビウス王に対抗する。
「・・・私をダシにしないでよね」
そのゼシカのヒトコトで、クラビウス王とは口を閉じた。 「ゴホンッ・・・とりあえず、チャゴスはこの人たちをお供につけて儀式に行ってこい!、頼んだぞ」 「はい。じゃあ王子、行きましょうか」
「えっうわ何すんだ離せ庶民!お父様!お父様ーーーーーーーーーーー!」
チャゴスの叫び声もむなしく、チャゴス王子は大嫌いなトカゲが溢れかえる王家の山へと向かう一行なのであった。
あとがき ギャグが最近思いつかない・・・。OTL ってことで、夢小説は新年1発目の更新です! 2009.01.13 UP |