カジノ都市の事件
海をしばらく船で走りつづけ、魔物と戦いながらもたちは北西の孤島へ辿りついた。 「・・・なんかここ、気持ちわるいね」
島の上には、トロデーン城で見た時のような暗雲が空に立ちこめていた。
「とりあえず奥に進みましょう。ここにドルマゲスがいるのはきっと間違いないんだから!」
ゼシカは皆にそういうと、ひとりで進んで行った。
「奥に進むにつれて怪しい感じの臭いがするでがすなあ・・・」
ヤンガスまでもツッコミにしてしまったはある意味すごいと思う一同だった。
島の奥に進むと、何かの遺跡があった。
「・・・あ!!あいつ・・・!」
ゼシカが何かを見つけたように叫んだ。
「ここがドルマゲスの本拠なのか?」
え・・・追いつめたって勝手にドルマゲス出てきただけじゃないですかと思うだった。
ゼシカは走ろうとしていた。あのドルマゲスの後ろをそのまま、兄さんを殺したときのように・・・。
悔しくて、たまらなかった。
ただそれは、皆も同じだった。
ドルマゲスは遺跡の入り口にたどり着くと、首だけたちのほうへ返した。 その不気味な笑顔に5人は青ざめた顔になり、背筋が凍った。
ドルマゲスは闇に包まれ、遺跡の中へと入っていってしまった。
「あ・・・い、行っちゃった!早く追いかけないと・・・!」
5人はまだ青ざめた顔を見合わせ、うなずいた。急ぎ足で遺跡の中へ入っていく。
遺跡の中は真っ暗で、何も見えない。さっきまで隣にいたの姿が見当たらない。 「・・・?」 もちろん、返事はない。怖くなって、何度も名前を呼ぶ。
「ゼシカ・・・ヤンガス・・・ククール・・・・・・。みんなどこー・・・?」 今にも泣きそうな声で、奥へ奥へと歩き続ける。どこが壁なのかわからない。いつどこにぶつかるのだろう。
そのときだった。
「イーヒッヒッヒッ・・・」
ドルマゲスの笑い声が聞こえ、一気に怖くなったは、目を瞑り耳を塞いで、その場に力なく座り込んだ。
するとだんだん、視界が明るくなってきた。
「あっ!大丈夫!?」
が心配そうな顔つきでに走り寄ってきた。
「う、うん・・・大丈夫・・・。こ、怖かったあ・・・」
目を潤ませては、頬に一筋の涙を流した。
「うっうわあああなんで!」
は必死で涙をこらえようとしているけど、自然に涙がこぼれている。
「・・・もう大丈夫だから。ほら、僕もここにいるでしょ?」
はに、手を差し出した。
「・・・うん・・・。ありがと・・・。」
座り込んでいたをゆっくり立たせた。
「みんな出てきたよな?さっきのはちょっと参ったな」
ふー、とため息をついていると、後ろから足音が聞こえた。
「あら、さっき大きい船でこの島に来てた人たちですね。こんにちは」
そうですか、とギャリングの使いは言うと、遺跡に目をやった。
「あ、そうだ。僕たちさっきドルマゲスの姿を見たので遺跡にはいったんですけど、中は真っ暗です。
は今あった一部始終を、ギャリングの使いに話すと、少し驚いた顔をした。
「では何か必要なのでしょうか・・・ん?」
ギャリングの使いの一人が、遺跡の入り口から少し前にある柱に気がついた。
「・・・大自然の光に包まれるものって書いてあります」
はそれを聞いて、そのくぼみを見つけたギャリングの使いに近づく。
「ほんとだ。大自然の光に包まれるもの・・・きっとこのくぼみにそれをはめ込むんだね。みんな何か心あたりある?」
がそう聞くと、その場にいた人たちは腕をくんで考える。
「確かサザンビークという王国に、『太陽の鏡』という国宝があるそうです。もしかしたらですが・・・どうでしょうか」
皆の顔を見回して、使いはそう言った。
「それはありうるかもしれんな。じゃあ私はここで待っているから、お前たちはサザンビークに行ってくれ」
面長の使いの1人の男がそういうと、後の2人はうなずいて、走って船のもとへ行ってしまった。
「・・・じゃあ僕たちも行こうか」
に皆掴まって、とりあえずベルガラックへルーラした。
「あーっ疲れた疲れた!」
ここは宿屋の女子部屋。ベルガラックへ戻り、宿屋に泊まったたち。 「・・・ねえ」
ゼシカは深刻そうな顔で、を見つめた。
「・・・あのね・・・。はのこと、どう思ってるの?」 一瞬、部屋の時間が止まったように、沈黙が続いた。
「な、何いってんのゼシカ・・・。そんなの仲間に決まってるじゃない!」
何もかもを見透かしたような目のゼシカに、は喉がつまった。
「・・・・・・うん・・・」
がキョトンとした顔で、ゼシカを見た。
「ああ、ううんこっちの話。でも。・・・素直にならなきゃ、気持ち伝わらないよ?」
ゼシカのその言葉に、は下を向いた。
「ならきっと大丈夫よ。私も応援するから・・・頑張ってね」
しばらくこんな会話が続いた。
その頃はくしゃみ連発していたという。
あとがき ・・・うん、なんかなんでもうドルマゲス戦間近な感じになってんだろう(は 2008.12.29 UP |