悪徳の町
「ここにいたの?」
話しても、は返答しない。が近づくと、が消えた。 だんだん回りがただの闇の世界になって。ドルマゲスが現れた。
でも、の目前には、が突然現れた。 そこでに起こされた。今まで見ていた、夢の内容。 あたしは・・・がいなくなったら、きっと立ち直れなかったから。 やっと苦労してとみんなを起こした甲斐があって、ゼシカたちが起きた。 「ああ、起きられましたか。昨日疲れていたみたいですもんね」
パヴァンはにっこりと、たちに向かって笑った。 「さあさあ、みんなが腕をふるって作ったご馳走です。みなさん席に着いてください」
「っふー!うまかったでげすなあ!」
バカじゃないの、とゼシカは言う。 「、あんまり食べてなかったけど、大丈夫?」 ちょっと顔色が優れないようだったが、は様子を伺いながら城を出た。 「おお、来よったな」
トロデはいつもこの声で、たちの元へア●レちゃん走りで駆け寄ってくる。 「いいなあ、お主らは・・・。いいご馳走もたんまりと食べてきたんじゃろ?わしだって久しぶりに酒が飲みたいわい」
トロデは恨めしそうな目でこちらを見つめてくる。
「ななんに!?それは誠か!ならば早速じゃ、!行くぞ!」 トロデはヤンガスのおいしい話に目を輝かせ、パルミドへ行く方向に馬車を走らせた。
「・・・しょーがねーおっさんでがすな・・・兄貴、すまねえでがす」
その後ろを、たちはついていく。 は一瞬、立ちくらみがした。いつもよりなんだか、気持ちが悪い。頭が痛い。 4人の姿が、ゆれている。足が絡まって、はその場に倒れこんだ。 ズシャア、と音がして、が振り返るとが倒れていた。 「!?」 ものすごいスピードでがの元へ駆け寄る。 「やばい、すごい熱だ!」 ヤンガスがそういい捨てると、トロデはムキーッと頭から湯気を出す。
「!お主はワシを降ろしたりなんてせんよな!?」 ガーン!と岩がトロデの真上に落ちる。ヤンガスがプッ、と笑う。
はをお姫様だっこで抱き上げた。は顔に汗を少々かいているが、とても寒そうで、苦しそうだった。 「待っててね。すぐに楽にさせてあげるから!」
はを馬車の荷台に乗せ、パルミドへと猛スピードで移動した。ヤンガスがトロデを担ぎながら。 「ワシは酒場におるからな。その情報屋とやらに行ってなんかわかったら来るんじゃぞ」
トロデはミーティア姫様を酒場の入り口に待たせ、軽い足取りで酒場へと入っていった。
「とりあえず宿屋で寝かせるでげす」
ヤンガスの話によるとパルミドは別名悪徳の町とも言われているそうだ。
をベッドに寝かせた。
「僕、とりあえずクスリを買うよ。その後にみんなの所に行くから!」
ヤンガスが情報屋の場所を教えてもらった後に、はクスリ屋に向かう。 「、!クスリ持ってきたよ。飲める?」 真っ赤な顔でがベッドから勢いよく起き上がる。 「・・・うおう!ごめん!」 は頭を痛そうに押さえながらも、すぐに大丈夫と笑顔を取り戻した。まだ、痛かったんだけど。 「・・・っ」
「いや僕が・・・」
こんな言葉をずっと繰り返す2人。ついにの何かが切れた。 「っああー!じゃあもういい!2人とも悪い!おっけー!?」
「じゃあ僕はみんなの後追いかけるけど・・・」
は今ある体力を使ってに笑いかけた。その笑顔を見て、を安心したようだ。 「じゃあ行くね。ここ出た酒場にトロデ王がいるから、何かあったら・・・行ける?」
そっか。じゃあ、とゆっくり静かにドアを閉める。はまたベッドに倒れこんだ。 数分後。あのクスリを飲んだおかげか、かなり体調が良くなった。 宿屋を出ると、姫様の隣に誰かいた。かなり慌てている様子である。
「・・・誰?」
が声を掛けるとものすごい顔で、ビックリした様子だった。
「ああ!待て、ドロボー!」
は今ある力を精一杯に使って、姫様をさらっていった悪党を追いかけた。
不意に、後ろから2人くらいの誰かに腕を掴まれた。さっきの泥棒の仲間だろうか。 バンッ!
「いったい!何すんのよ!」
ジタバタと動いても、今の病人のには全然力が入らない。しかも男2人だ。叶わない。 「まったく大声で叫びやがって」
キリ、とナイフをひとりの男は取り出した。その会話を聞いて、ナイフを見て。 「やめてっ・・・!離してよ!・・・!」 ドアの開く音がして、そこには、ヤンガス、ゼシカ、ククール。みんなの姿があった。 「みんな・・・」 ゼシカが呪文を唱えると、いつもより迫力のあるメラ一発でしとめた。
「大丈夫!?!?」 は怖さで泣き出した。それにが背中をさする。 「・・・もう大丈夫だよ・・・安心して」
ボタボタと地に落ちるの涙を、そっとがぬぐった。 「・・・あいつら見てたらムカつくぜ」
ククールがニヤッと笑った。
街の人たちの話を聞くと、闇商売の店へ、酔いどれキントが持って行ったそうだ。
「またややこしい話になっちまったな・・・とりあえずそのキトンとかいうやつんとこ行ってヤるか?」
ククールとゼシカは武器を構えて、キントの家と言われる場所へ向かう。
「997、998、999・・・1000!やっべー1000Gだ!もう飯に困らねえな・・・」
キントはウシシと笑う。たちの姿があるのも気付かずに。 「その金は・・・ワシの姫のものか?」
いきなり緑の魔物に話しかけられて、キントは肩を揺らした。
「うあああああ・・・!もしや馬の持ち主っ!?殴らないで!殺さないで下さいっ!こここのお金は返しますから・・・」
ヤンガスが当たり前と行った感じで、1000Gの入った袋を取り上げた。
「馬を買ったのは誰だ?」
ヤンガスの顔が青ざめる。
「あっそれって、だいぶ前にトラペッタで言ってたヤンガスの知り合い?」
ヤンガスがハーッとため息をつく。
「とにかく早く行くのじゃぞ!一刻も早く姫を助けださねば・・・!」
トロデは今までに見たことのないくらい、あたふたしていた。
あとがき 2008.10.26 UP |