リンクする街
「・・・遠い遠い遠い遠い遠い遠い!!」 ポルトリンクへの道中。がいきなり発狂した。 「疲れちゃった?」 「いや、別にそうじゃないんだけどさぁ〜〜〜トラペッタからリーザス村までの道のりとえらい違いじゃない?もォ〜めんどくせッああぁもう足を前に1歩出すことさえもめんどくせぇよォオォオォ」 は体を前にしてうなだれながら話した。
「いや・・・まあそうかもしれないけど・・・。でもここよりももっと遠い道のりの場所なんかいくらでもあるよ?」 「うっ・・・そうなんだ・・・」 は気が重くなりながらも、たちと共にポルトリンクへの歩を進めていった。
「にしてもここは海がキレイでがすね。どこ行っても見えてるでがす」 「そりゃ港町なんだから、海くらいあるだろうよ」 「・・・そんなことはアッシでもわかってるでげすよ・・・。ちょっと言ってみただけでがす」 「えッ・・・!?そうだったの?ゴッメーン☆わかんなかった☆」 そんな可笑しな、というよりも変な方向へ突っ走っている会話は、が旅に入ってから、当たり前のようになっていった。
「お前ら・・・わしのことを忘れてはおらんか!?」 「「「へっ?」」」 声の主を見ると、怒った表情でこちらを睨むトロデ、悲しい表情でこちらを見つめるミーティア(馬)。
「・・・・・・・・・・・あ」 「ああああああああああってなんじゃい!?」 が気付いたように声を漏らす。
「お前らがリーザス村から出た瞬間やっと飯かと思ったら、ワシらのことを見もせずにポルトリンクへ走っていったんじゃ。それはもうビックリしたんじゃぞ・・・! 全くっ」 トロデはかなりお怒りのようだ。そらそうだ、当たり前。
「すみません陛下・・・。」 「私もわかんなかった・・・ごめんなさい、王様」 「アッシもわかんなかったでがす」 トロデの顔はかなりショックを受けているように見えた。ええ、もうそれは音がつくように。ガーンと。
「いやーっ、でがす!」 「なああああぬをおおおおおお」 「あ、ポルトリンクの門見えてきたよ」 トロデとヤンガスの日常茶飯事のケンカに、タイミングよくポルトリンクへ着いた。
「じゃあわしらは待っておるからな。今度は忘れるんじゃないぞ」 「あ、王様。今日は船にのるから、中に入ってもらいます」 「何!?わしがまた石を投げつけられてもよいというのか!?」 「でもついてきてもらわないと王様と姫様はこの大陸に置き去りになってしまいますよ」
がさらりと言った。トロデの顔が、緑でなく青く染まっていく。置き去りになったときのことを想像でもしているのだろうか。
「・・・わかった。それじゃあ、わしは馬車の中に隠れとるよ。出てもよい時があったら言ってくれな」 そう言ってトロデは、あのせまい馬車の中に埋もれるようにして隠れた。
街に入ると、人が賑わう・・・所ではなかった。ここも何だか、少しだけ暗い雰囲気が漂っている。リーザス村ほどではなかったが。 は街にいた、若い男の人に聞いてみた。
「あのー、ここって港ですよね?なんかえらく活気が感じられないんですけど、何かあったんですか?」 「え?あ、ああ・・・。実は船が出ないんですよ。出船すると決まって同じ魔物が出てくるとか・・・。しかもかなり大きくて強敵なんだそうで・・・。僕はこの街のヤツじゃなくて海の向こうに住んでるんです。少し用があって来ただけなのに帰れなくて・・・。もう本当に困ってるんですよ」
今にも泣きそうな顔をしながら、若い男はそう言った。 「それは大変ですね・・・。早く出船するといいですね!」 がそう言うと、男は顔をかなり明るくした。
「はい!頑張ります!」 「え?あ・・・はい・・・。」 は少しおかしく思った。男1人が頑張って船が出るのか?
「じゃあ僕たち急いでるんで、失礼しますね。質問に答えてくださってありがとうございました。、行こ」 たちは礼をしてから、船のチケット売り場へ続く階段を降りていった。
「さん・・・だったっけか・・・?可愛い人だなあ・・・」 男は、ホケーッと、遠ざかっていくを見つめていた。
「何よ!あたしの言うことが聞けないっていうの!?さっさと船を出してよ!私は急いでるのよ?」 「へい・・・でもこればっかりは・・・。アローザ様に叱られますし・・・」 「もう!またお母さんなの?あの人とは縁を切ったの!関係ないでしょ?さあ船を出して!」 「でっでも魔物が出るんですよ・・・危ないんです」 「そんなの私が倒すわよ!」 「そんなことお嬢様にはさせられません!」 「だぁかぁらぁ!私はアルバートとは縁を切ったって言ってるじゃない!お嬢様でも何でもないのに・・・」 ゼシカと男が何やらもめている。きっと船のことだろう。ゼシカは辺りを見回し始めた。
「あ!」 「へ?」 ゼシカはたちの服を引っ張って、さっき揉めていた男の前へ連れてきた。 「私が戦わなきゃいいんでしょ?じゃあこの人たちが戦うっていうのはどうかしら?」 「へい・・・まあそれならいいですが・・・」 ゼシカは一瞬ニヤリと笑みを浮かべた。
「じゃ、そういうことだから。準備ができたら言ってくれる?」 「へ?あ、はい・・・ってなんでやねーーーんっ☆」 ゼシカに言われるがままに、たちはなぜか魔物と闘うことになってしまったのだった。
あとがき ていうかなんかもうあとがきになってない感じ← それでは次の小説でまた会いましょう(・∀・) 2008.08.03 UP |