WEB拍手お礼小説4 2008.10.09〜2008.12.07

 



「ねえ、これ飲んでみて」

ゼシカはいきなり、食事中の私にコップに一杯の液体を入れて渡してきた。


「?何それ、ゼシカ」

「気にしないで飲んで!コーラ、スキだったでしょ?」

ゼシカは憎めない顔で、にっこりと笑ってくる。

コーラのように、確かにシュワシュワと炭酸のような音を立てている。
コーラが大好きな私は、少し抵抗のあったものの、友達の勧めに答えることしか出来なかった。


「(なんかあたしって絶対麻薬とか友達に勧められたら断れないタチかも・・・)!?」

一口飲んでみると、舌が熱くなった。辛い、というかなんというか。
あまりのそれに、私はカッーぺッ!とおっさんのように咳き込む。


「ぐはほおっ!ゼシカ、何するの!?」

「えへへ、秘密」

やっぱり憎めない笑顔で笑う。
でもこれはいくらなんでもコーラじゃない。騙された。

 

「あれ・・・なんだろ・・・なんか・・・」

私は少し、頭がクラクラしてきた。その様子をゼシカはニヤニヤと見ていた。


倒れそうになったとき、いきなり覚醒した。

「うおおおおおぉぉぉぉぉ・・・・!!」

私は全速力で走る。あの人のもとまで。

 

 

 

 

 

 

「うおおおぉぉぉぉ!」

「え!?何!?」

大好きなあの人の部屋まで私は全速力で走り、ドアを勢い良く開け、驚かれる。

「キャーッ!」

私はいきなり抱きつく。


「何!?お酒入ってるんじゃないの!?」

「酔ってらいも〜んっ」

「酔ってない人ほどそういうんだよ!」

なんでだかわからないけど、抱きつきたかった。
ゼシカにもらったあれを飲んだ瞬間。


彼のオレンジのバンダナから少し出たこげ茶色の髪の毛。
シャンプーのいい匂いがする。


「・・・大丈夫?絶対酔ってるよ」

「酔ってらいもん」

「ろれつ、回ってないから、酔ってるね。顔赤いし」

「ゼシカに飲まされたにょ!ゼシカはそんなことしらいもんれ〜!」

彼は少しため息をついた。多分ゼシカめ・・・とか思っている。

「ゼシカは悪くないよ・・・今私がしてるのは素直な気持ちだもん」

「え」

彼は頬を赤くした。

「何!照れてるろ!?」

「あのね・・・」

彼は顔を赤くしながらも、呆れたように話す。

 


「・・・ちょっと?」

「スピー」

「・・・寝てるし」

彼は優しく笑うと、私の頭をなでた。




知ってる。私。この頭の撫で方も。
優しくて、安心する。大好きな・・・


私の夢の中では、にっこり笑う彼がいた。






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