WEB拍手お礼小説3 2008.09.11〜2008.10.09

 

「暑いんじゃボケーーーっ!!!」


発狂する私は、旅の仲間たちに笑われる。
もうそろそろ秋にもなるというのに、暑い、暑い、本当に暑い。
といっても朝と夜は冷え込むのだけど。



「確かに暑いよね。こんなに暑いと旅にも集中できないしね・・・」

「まあでも頑張るしかないわね」



そう、今は少しでもドルマゲスとの距離を近づけなければならない。
暑いからといって旅を中断するわけにはいかないのだった。



 

 

 

 

 




「もう日も落ちてきたわね。・・・あ、あそこに教会があるわよ」

「泊めてもらえるかな。行ってみよう」



川沿いに建つ教会に辿りついた一行。
宿も貸してくれるようだった。




「うあー・・・今度は寒いし」


二の腕のらへんを両手で摩りながら、
一つベッドが開いていることに気付いた私は外にでた。

そこには月明かりに照らされた大好きなあの人が、
いつものあのオレンジのバンダナを外していた。

教会の前の木の下にある、木の切り株に座っている。




「何してるの?こんな寒いのにその服だけじゃ風邪引くよ?」


声をかけると少しびっくりした顔をしていたが、
またいつもの優しい笑顔で笑い掛けてくれた。


「何してたの?」

「うん・・・。ちょっと自分の気持ち整理してた」

「え?」


よく言葉の意味がわからなかったが、向こうはすぐに私の気持ちを察したようだった。



「今さ、色んな気持ちが交差してるんだ。」

「そうなの?私ならいつだって相談にのるよ?」



そんな彼女なりの優しい言葉をかけても、彼はフッと笑って答えた。


「ありがとう。・・・落ち着いたら一番に話すね」

「え〜?本当?」

「ふふっ、本当だよ」



二人は笑って少し話したあと、宿に戻っていった。

 

 










ピピピッ!


「どうしたの?いっつも健康な2人が一緒に風邪なんて。

不摂生なククールなら納得なんだけど」


「ゼシカうるさいぞー!俺は不摂生なんかじゃ・・・な・・・。もういい。

つか、なんか2人でいやらしいことでもしてたんじゃねえの〜?」


「してねえよ!」

 



次の日は二人して風邪を引いてしまった。
おそらく昨日の冷たい夜風のせいだ。


大丈夫大丈夫と繰り返して、またドルマゲスを追う旅を続けたのだった。








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