WEB拍手お礼小説2 2008.08.16〜2008.09.11

 

「ふあーっ・・・」

ツインテールの少女が髪をおろし、すうすうと寝息をたてて眠っている。


「ゼシカ・・・かわいすぎる・・・」



ドラクエの世界へトリップした、一人の少女は、
寝息をたてているゼシカの顔を見つめてそうつぶやいた。

 

 

 




「ククールとは・・・どうなってるのかな・・・
ゼシカはいっつも素直になれない子だから、わかんないや」


いつも自分の恋愛を心配してくれるゼシカを、自分も応援しないわけにはいかない。
まあまずゼシカがククールを好きなのかもわからないが。

 




 

 

 

 

 

「ちょっといい?」

 

 

誰かの声が、ドアの向こうから聞こえて。
扉を開けると、愛しい彼が立っていて。
まっすぐのその瞳で、こっちを見つめてくる。

こら、ちょっと照れるじゃないか!

 

 

 


「どうしたの?」

「うん、あの・・・これ」


そう言って彼が自分に渡したのは、ひとつの包み。


「これ・・・なあに?」

「やだなあ、忘れてるの?・・・誕生日プレゼントだよ」

「ええ!?」

 


そう、自分はつい最近1つ年をとった。




「覚えててくれてたんだ・・・」

「う、うん。まあね?
き、気になってる子の誕生日なんてさ、忘れるわけないだろ?」

「えっ?」



彼のちょっと気になる言葉の意味に、目を見開く私。

 

 




「あっえとっ・・・!気にしないでっ!
じゃ、じゃあ寝るから・・・おやすみ!」

「あっ待って!」


 

彼を呼び止めた。くるっと音がつきそうなくらいに、彼は振り返る。
そのときのちょっと嬉しそうな、今にも泣きそうな。
そんな子犬みたいな彼に、私はちょっと笑って。

 

 

 



「・・・ありがとう。」

 

 

 

 

 

 



照れくさそうに言った言葉は、彼の胸にも届いたみたいで。
彼も照れくさそうに笑って、おやすみといって、走っていった。

 

 

 

 




そんな可愛らしい二人の姿を、
布団に潜り込みながらちらっとゼシカが除いていたことは秘密。








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